エッセイ

福島 勇

ピアノ調律の哲学

良い音とはなにか。音楽的な音とはなにか。そして、良い音楽とはなにか。

ピアノの音作りはとても難しいです。一台一台ピアノの状態やメーカーも違いますから、同じような音には出来ません。

演奏される音楽にもよるかもしれませんが、調律師の役割は、ピアノのポテンシャルを最大限に引き出し、一番いい状態にし、ピアニストが求める音をなるべく作るようにすることだと思います。

また、コンサートホールにより、ピアノの響き方が違います。ホールの大きさや部屋の構造等。ピアニストにとっても聴衆にとっても一番良い位置を探します。

良い音作りをする上で、ピアノの正しい状態を知る、そして良い状態を保つことから始まるかと思います。ピアノの音程や音階を作る調律、ピアノが正しく機能しタッチを揃える整調、そして音色を整える整音という作業があります。

これらをすることで、良い音楽を奏でる第一歩になります。